相続権のある「配偶者」とは、婚姻関係にある方をさします。
長年連れ添っておられた場合でも、婚姻関係が無いと法的な配偶者ではありませんので、相続人となることは出来ません。
もし、この方にご自身の財産を遺したい場合は、生前贈与を行うか遺言を作るしかありません。
(相続人が誰もいなければ、特別縁故者として財産を取得できる場合もあります)
葬儀費用は亡くなった方の為に必要となる費用なので、相続財産より支払うもの、と考える方も多いと思われますが、これは結構難しい問題です。
そもそも、葬儀費用の負担に関する法律がない為に、見解が分かれているのですが、大きく下記の2つに分かれます。
@故人の相続財産より支出
A喪主が当然に負担すべき
最近の判例では、儀式挙行者・祭祀承継者が負担すべき、という流れ(平成24年・名古屋高裁など)になりつつありまして、Aの喪主の負担を支持しているものの、判例は個別で事情が異なりますので、すべてに当てはまる訳ではありません。
近年は、葬儀にお金を掛けない、香典は頂かない、という方式が多くなっておりますが、葬儀の規模や費用負担の扱いが原因で、相続人同士が揉めることもあります。
遺留分とは、遺言書によっても制限することのできない、相続人に必ず遺さなければならない財産の割合を指します。
相続人が両親(または祖父母)のみの場合は、全体の1/3が遺留分割合となり、それ以外の方が相続人の場合は、全体の1/2が遺留分割合となります。
また、兄弟姉妹が相続人の場合には遺留分はありません。
相続に関する誤解のひとつですが、子供がいない夫婦の場合、配偶者だけが相続人になる訳ではありません。
故人に両親(または祖父母)や兄弟姉妹がおられれば、その方々も相続人として、相続権があります。
婚姻によって発生した相続権は離婚と共に消滅致しますので、前の配偶者の相続権は無くなり、現在の配偶者が新たな相続人となります。
但し、子供の親に対する相続権は離婚しても無くなりませんので、再婚されて新しく子供を授かった場合でも、前の配偶者との間の子供は、現在の配偶者との子供と同じ相続割合がある事になります。
相続の名義変更(相続登記)におきまして、不動産の権利証は必須となる添付書類ではありません。
権利証は、登記簿上の所有者と亡くなった方が、同一人物であることを確認する為の添付資料の1つです。
この為、住民票除票など他の書類で確認することが出来れば、権利証が無くても名義変更は可能です。